「日本経済の常識」は間違いだらけ?サナエノミクスのキーマンが説く、成長への「数学的」な処方箋

【アイキャッチ】1495回_高橋洋一高橋洋一チャンネル要約

「日本は借金まみれで破綻する」「少子高齢化で現役世代が減り、年金制度は崩壊する」——。メディアやネットに溢れるこうした悲観論を、私たちはさも「避けられない未来」であるかのように信じ込まされてきました。しかし、これらの言説の多くは、経済の「定義」や「計算」を根本から誤解した、非論理的な思い込みに過ぎないとしたらどうでしょうか。

今、注目を集める「サナエノミクス(高市成長戦略)」の背後には、従来の「変な経済学」に毒されていない、極めて数学的で明快なロジックがあります。その中心にいるのは、元財務官僚の髙橋洋一氏と、彼が「自らの後継者が現れた」と評するエコノミストの会田卓司氏です。

両者に共通するのは、名門・浦和高校から数学の道へ進み、その後に経済学の世界へ足を踏み入れたという特異な経歴です。計算の仕組みを熟知する「数学的思考」という最強の武器を持つ彼らが、なぜ日本の現状を「悲観する必要はない」と断言するのか。その処方箋を解き明かしていきます。

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「投資」とは何か?——政治的な議論を終わらせる「B/C」というモノサシ

経済政策において、何が「真の投資」であるかという議論は、往々にして政治的な恣意性に左右されます。ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授ですら、クリントン政権時代に「あらゆる支出を投資と呼びたがる政治家」との論争に苦慮したといいます。

しかし、髙橋氏は「日本には建設国債という優れた制度があり、数学的な客観指標である『B/C(ベネフィット・コスト比)』を使えば、この論争は一瞬で解決する」と指摘します。

「B/Cを計算する時に『社会的割引率』を適切に設定すれば、BがCを上回れば投資。ものすごくクリアな基準ができる。投資が何であるかという変な議論をする必要はまったくない」(髙橋氏)

ここで重要なのは「社会的割引率」という概念です。将来発生する便益(ベネフィット)を数学的に現在の価値に割り引いて計算することで、そのプロジェクトが本当にコストに見合うものかを客観的に判定できます。日本はこのプロセスが制度化されており、B/Cが1を超えるものに限定して建設国債を充てる仕組みを持っています。主観を排した「数学的合格ライン」こそが、健全な成長戦略の土台となるのです。

「需給ギャップ0」を目指してはいけない——天井の低すぎる日本経済

政府や日銀は、経済の需給バランスを示す「需給ギャップ」を重視し、長らく「0(均衡状態)」を目指すべきだとしてきました。しかし、ここには「計算の仕組み」を知らない人々が見落としている大きな罠があります。

内閣府などが算出する「潜在GDP」は、現状の低い成長率をベースに計算されているため、いわば経済の「天井」が低すぎ見積もられているのです。この低い天井を基準に「0」を目指しても、デフレ脱却や本格的な成長は望めません。

マクロ経済の旧守派(オールド・ガード)は、この天井の低さに気づかず「0になれば安心」だと思い込んでいますが、実際には天井を突き破る「プラス2%〜2.5%」程度のオーバーシュート(高圧経済)を目指すべきなのです。

この論理の正しさは、実例が証明しています。高市氏が提唱した20兆円規模の補正予算に対し、財務省は「需給ギャップが0を超えて猛烈なインフレになる」と警告しました。しかし、髙橋氏は「天井(潜在GDP)の設定が低すぎるだけで、実際にはインフレになどならない」と数学的に論破。結果、大規模な予算を執行しても、財務省の危惧したようなインフレは起きませんでした。

少子高齢化でも「年金」は破綻しない——名目成長という特効薬

「払う人が減るから年金は破綻する」という言説は、家計のような単純な足し算・引き算に終始した、動的な視点を欠く誤解です。年金財政の安定を左右する真の変数は、人口動態よりも「名目GDPの成長」にあります。

日本の人口減少率は年率0.8%〜0.9%程度です。一方で、経済成長によって名目GDPが拡大し、名目賃金が上昇すれば、一人ひとりが納める保険料収入は増加します。

「払う人は少なくなるが、経済成長すれば(一人ひとりが)払う金額が増える。それでおしまい(解決)ですよ。人口が0.8%減るなら、経済を1%余計に成長させれば、総額としての収入は増えていく。こんなのは単純な計算の話です」(髙橋氏)

実社会では、この単純な数学的真実を隠し、「年金不安」を煽ることで金融商品を売り込もうとする動きが絶えません。しかし、適切な成長戦略によって名目賃金が上がる環境さえ作れば、100年後の年金積立金は現在よりも膨らむという試算すら存在します。

国債の「借り換え」は永久に可能——債権者が入れ替わるだけのサイクル

「借金は返さなければならない」という個人レベルの「家計簿感覚」を、国家財政にそのまま当てはめるのは間違いです。国家という永続的な組織において、国債は「借り換え」を続けることで運営が可能です。

国債の満期が来れば、新たな国債を発行して資金を調達し、前の債権者に返済する。このサイクルにおいて、個々の債権者(国債保有者)は常に国民の間で入れ替わりますが、政府としては借り換えを継続することで、債務を完済してゼロにする必要はありません。

これを「将来世代へのツケ」と呼ぶのは、国家運営に対する想像力の欠如といえるでしょう。国家の貸借対照表において、政府の負債は常に国民の資産として裏表の関係にあります。この「借り換えのサイクル」が永続できる論理を理解すれば、過度な緊縮財政がいかに経済を萎縮させるかが分かります。

結論:新しい世代が書き換える日本経済のパラダイム

日本の経済議論は、長らく「計算の仕組みを理解しない人々」による、根拠なき不安に支配されてきました。しかし、既存の「変な経済学」に染まらず、数学的素養をベースに政策を立案できる会田卓司氏のような新しい世代が登場したことは、日本にとっての転換点です。

髙橋氏は、自らの主張を平然と語れる後継者の出現に、「ようやく道を譲れる」と期待を寄せています。数学的に正しい事実を直視すれば、日本経済の「再生の鍵」はすでに私たちの手の中にあります。

私たちは、過去の誤った前提に基づく「停滞の幻想」に怯え続けるのか。それとも、数学的に裏付けられた「成長の論理」を受け入れ、前を向くのか。今、日本経済に求められているのは、感情論を排した「知的な決断」に他なりません。

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